「ねこのめ」と「いかづちの剣」と同一世界で繰り広げられた『魂の物語』(帯から引用)、完結です。この作者さんの作品は、SFとファンタジーの絶妙なバランスが好きですね。
個人的に贔屓にしていたワズマル少佐と、マヒーナタース女史は……お気の毒でした(合掌) 二人とも、不幸というかなんというか。いや、マヒーナタース女史はまだ自業自得な気もするけど(酷)、ワズマル少佐はねぇ……本当、ご愁傷様です。
ERFはさすがは商売人という感じですか。まぁ、冷静に考えれば分かる事でしたかね、彼らの目的。彼らなら、それほどあくどい事もしないだろうし(そうか?)、「金烏」の使用についても何か上手い方法を考えつくでしょうし(←買いかぶり)
主役三人は、今後どうなるのかなぁ。ヤクシーである少女とジェイは大丈夫だろうけど……シュシはちょっと想像しがたい。サリは、きっと大丈夫。ちゃんとシュシのところに戻ってくると思う。でも問題はそのあと、二人がどんな関係になるか、なんですよね。やはり、今までどおりにはいかないだろうし……それでも、彼らにも幸せになって欲しいと、そう思います。
いろんな意味で楽しいPSソフト『ガンパレード・マーチ』のノベライズ。好きな人があまり登場しなかったので、ちと残念。……贅沢は言わないけど、来須君だけでも出して欲しかったなぁ(涙)
えぇと、正気に戻って感想行きます。内容は悪くなかったです。ゲームやってれば楽しめるんじゃないかな。私的には読んでてファースト・プレイを思い出しました。最初は操作とかよく分かってなくて、熊本城攻防戦も結構苦戦したよなぁなどと懐かしみつつ……。今じゃ、「スカウト(歩兵)で十分さ!」と最小限の装備で幻獣を蹴り倒し、その上割と難なく絢爛舞踏も獲得できるようになってるけど(笑)
あと熊本城攻防戦でのガンパレード・マーチはちょっと泣けたました。なにしろ私、ゲームで初めて歌ったのがここでの戦闘中だったので、思い入れあるんですよねぇ(しみじみ)
でも、ゲームやってるから色々と予備知識が付いてるし、キャラクターの台詞だけで「あぁ、あのイベントだ」と分かってニヤリとできるけど、もしもゲーム未体験だったらどう思うだろう? この小説だけでは謎がほとんど解明されてないし、少々分かりづらいのではないかなぁ?
そうそう、関係ない話ですけど。私のプレイではどうしても[壬生屋]さん、油断するとすぐ死ぬんですよ。別にわざとやる訳ではないんだけど、何しろこの人問答無用で突撃していくから(苦笑) だからかどうか、小説でこの人が散ったときは、「ここでも死ぬか……」となんとなく溜息つきたい気分になりました。……なお私、Sランクエンドを目指しているときは、死亡者を出さないためにも自分の撃破数を稼ぐためにも、悪いと思いつつこの人パイロットから外してたりします……私だけじゃ、無いですよね?
PSの人気RPG(……に、なってると思う。まだIしか出てなかった頃、同志を探すのが大変だったのが嘘みたいだ)幻想水滸伝IIのノベライズ。こっちとしては、面白ければ別にいいんですが……でもなんだか最近、幻水関連の商品が山ほど発売されてるのも加わってか、コナミの戦略に踊らされてるみたいで嫌な感じだ。ゲームが好きだからって、つい買っちゃう私も悪いんですけどねぇ……(溜息)
前回(Iのノベライズ)でエピソードを削りまくっていたのが不評だったのか(つーか、個人的にいろいろと思うところがあるだけですが)、今回は結構ゲームに忠実。そのせいで展開は遅い……世の中、上手くいかないものですねぇ。この巻最後の場面になってる『始まりの紋章』の継承は確か……ゲーム開始から30分ってところだったかな?(最速プレイ時) このペースだと全何巻になるんだか。ま、このまま削らない方向でいくなら、いっそのことクライブのイベントと料理対決も補完して欲しいと思いますね(←無茶言うなってば)
そういえば、坊っちゃん(I主人公)イベントはどうなるのかな? ……坊っちゃんは人気あるから登場しそうだけど、個人的には削って欲しいと思う。いや、私も坊っちゃん好きだけど、あのイベントはゲームの本筋にはあまり(というか、全く)関係ないから。そこまでファンに媚びられるのは嫌。
久しぶりのリジィオ。さすが、オリンピック男の異名は伊達じゃない。もっとも今回はミニ文庫が発売されてたから、あまり待った気はしないけど……でも、そのミニ文庫からの再録がほとんどだったから、そっちを読んでた人間からすると目新しさはないですね。
書き下ろしの作品も、いつものパターンです。 そういう意味では、安定して楽しめると言えるんですけど……でもなぁ……。う~ん、なんだかねぇ。冴木さんの作品全般、好きなのには変わりないんだけど、読んでると……何というか、違和感? というか引っかかるものがあるんですよねぇ。前はあまり気にならなかったのに、なんだか最近気になって仕方がない。……私の好みが変わったのかな?
デュアル文庫版・銀英伝7巻目です。今回の表紙は後の帝国軍務尚書・オーベルシュタイン(帝国サイドで一番のお気に入りだったりする。全く、我ながら悪趣味です(^_^;) でしたが……本屋さんで見た瞬間、爆笑しかけましたよ。いや、本当に。だって、『策謀』という言葉的にこの人が来るのはまぁ分かります。でも……まさか犬付きだとは(笑) 冷徹非情だの劇薬だの絶対零度の剃刀だのと作中で散々言われている人物なのに、犬が一緒というのが妙にツボにきて。やはり、世間一般の認識では『オーベルシュタイン/オーベルシュタインの犬の飼い主』なのでしょうか?(爆笑)
……さ、思いっきり笑ったところで感想にいきましょう。今回の内容は大雑把に要約すると、フェザーンに端を発する陰謀によって、長らく膠着状態にあった人類社会に一大変化が始まるその序幕。主な役者が出揃い、いよいよ時代が動き出す場面ですから、何度読んでもわくわくします。
そうそう、この巻にダゴン星域の会戦についてもちょっと書いてあったおかげで(リン・パオの彼らしい報告台詞付きで)、久しぶりに銀英伝読本が読みたくなりました。時間見つけて、また立ち読みに行こうかな(←いい加減に買え) う~ん、やっぱり外伝も家でゆっくり読みたいから、今度はぜひとも文庫化して欲しいなぁ。(*疲れたので今回で銀英の感想は中断します)
私、一応東洋史学科に在籍してるくせに中国史は微妙に苦手な人間ですが、こういう娯楽小説は好きなんです……って、そんな話は関係ないか(^_^; 以前、徳間書店から発売されていたシリーズの文庫化で、題名からも分かるとおり中国(宋代)を舞台にした伝奇小説。これは面白いですよ~。中国物は苦手、という人でも(多分)大丈夫。テンポよく展開するストーリーに加え、アクションやロマンス等の見せ場も多く、一気に読んでしまえます。また、当時の習俗についても書かれているので、結構勉強になります。
1巻は、開封で出会った三人が、戴星の実母を探すため江南に旅立つまで。彼らの旅の行く末ももちろん気になるところですが、宮中の陰謀や謎の楽園――桃花源を巡る争いなども、非常に気になるところです。
欲を言えば、イラスト(表紙だけとはいえ)変えないで欲しかった。別に今度の人が嫌なわけではないんだけど。むしろイメージはあってたし。でも私、前の絵師――皇さんのファンなものですから(^_^;
集英社の『夏と花火と私の死体』でデビューした作者さんの新作で、表題作(狂言誘拐の話)+短編(内向的な大学生と幽霊の交流)の二本。個人的に、この人を引っ張ってきた角川編集部に敬意を表したいです。……いえね、この作家さんは結構気に入ってるので。
お勧め作品です。ライトノベルであるためか、これまでの作品群とは微妙に雰囲気が異なって、なんとなく明るい雰囲気も有りますし(←誉めてるのか?)、読後感も良いし(別に、今までの作品の読後感が悪いと言ってる訳ではない)
表題作も面白かったけど、私は同時収録の短編「しあわせは子猫のかたち」がツボでした。最後の手紙の場面は、不覚にも(というか、私もともと涙腺弱いですけど)涙してしまったり。とにかく、2作品とも面白かった。感想は、この一言に尽きるかな。「ライトノベルは読まない」という人(…まぁ、そんな人はわざわざここ読んでないだろうけど…)でも、これは楽しめると思います。