2010.03.14
大坂夏の陣から八年。それぞれの立場や想いをもって若者たちが大坂の街を駆ける青春時代小説第2巻。
1巻終盤の爆弾発言&それに伴う疑惑はもうちょっと引っ張るかと思っていたんですが、なんだか案外さくっと一段落した印象。まぁ、全面的にすっきりしたわけではなく、それはそれでまた別の疑問が出てくるわけですが……まぁ、このあたりは追々明かされていくことなんでしょうねぇ。そちらだけではなく、物語の内容的にも「第一部完!」な感じで思わず邪推してしまいましたが、作者さんの公式ブログによると以降の予定もちゃんとあるようなので一安心。他のシリーズもあるのでペースは落ちるそうですが、続きが読めるならそれで良いと思う(未完シリーズの山を眺めつつ)
登場人物絡みでは、茜がいろいろと悩み考えた結果、ちょこっと成長して好感度アップした。自分の中で結論を得て余裕ができていたのは大きいだろうけど、それでも終盤の天秀尼との会話は、1巻の彼女だったら出てこないだろうしな……。あと、お龍が第二主人公的な位置で物語に関わってきたのは少し意外。いや、まさか1巻限りの出番だとは思ってなかったけど、ここまでとは。こうなると、茜との関係も含めて彼女の今後がどうなっていくのかも楽しみ。その他、やっぱり「在天」関係の人だった甲斐と大助の邂逅・一戦を経ての意外な事の成り行きとか、切支丹絡みのあれこれとか、新興商人である鴻池家(お龍の実家)に絡んだ思惑とか、さらりと読めるわりにネタはしっかり詰まっていて面白かった。超常的な要素がほとんどない、こういう真面目な伝奇活劇も良いものです。
さて、茜たちと甲斐は紆余曲折の末当面は行動を共にすることになったようですが……さて、この先は話をどう展開していくのか。未だ残る数多の謎、そして2人の少女の仄かな想いの行方が気になるところです。
作品名 : 浪華疾風伝あかね 弐 夢のあと 【amazon
・ boople ・
bk1】
著者名 : 築山桂
出版社 : ポプラ社(ポプラ文庫ピュアフル)
ISBN : 978-4-591-11679-1
発行年月 : 2010.3
2010.03.13
「天冥の標」第2巻。遥か未来の物語であった1巻から時間の針は巻き戻され、冥王斑と呼ばれる謎の疫病のパンデミックが起こった現代地球を舞台にした物語。
なんというか、1巻はSF小説として普通に楽しみましたが、2巻はしんどいなぁ……と思いながら読みました。「白鳥熱の朝に」もそうでしたが、少し先にこういう事態が起きる可能性もなくはないだけに、そこで描かれる群集心理に「ああ……」と思ってしまうんでしょうね。自分もそうしかねないと分かっているだけに、軽く鬱になります。
そんなこんなで随所で凹みつつも医師や患者等、それぞれの立場で疫病と向かい合う様子が丁寧に描かれていて、面白いというか、「この先彼・彼女たちはどうなるんだろう。少しでも光は見えるんだろうか」と、ハラハラしながら興味深く読みました。同時に、未来とのリンクを感じさせる単語等がちらほらと見受けられ、おお、と思ったり。え、でも800年後まで……なんてことはないよね……?(なんだか嫌な想像をしてしまったらしい)
この「始まりの物語」ではのちの因縁の発端が生じたというところで幕を閉じましたが、未だ不明なところも多く。このあとにどのような出来事が起き、「メニー・メニー・シープ」に繋がっていくのか。何はともあれ、続きの巻が待ち遠しい限りです。
作品名 : 天冥の標2 救世群 【amazon
・ boople ・
bk1】
著者名 : 小川一水
出版社 : 早川書房(ハヤカワ文庫JA)
ISBN : 978-4-15-030988-6
発行年月 : 2010.3
2010.03.11
諸事情から軟禁生活を余儀なくされている少年パウロ@超現実的かつ俺様主義と、本に魂を囚われた錬金術師フィラレテス@根がお人好しのジャパニメーションマニアが17世紀のプラハの街で繰り広げる冒険劇、最終巻。
大人の事情か、主に「The DAY」内の冒険がいろいろ駆け足になってしまった気もするけれど、最後までパウロ最強伝説は健在だったなぁ……と読後思わずしみじみしてしまいました。
ともあれ、「The DAY」での結果的に最後になったミッションを経て、現実世界に持ち込まれた諸問題。内心動揺していてもそれを表に出さずにマイペース(≒ゴーイングマイウェイ)で口から出まかせは基本として使えるものを使い倒して問題を片付けていくパウロ君の姿が、実に頼もしいというかなんというか(棒読み) 一方で、フィラレテスに対する態度やら何やら、一度身内と認めた人間にはわりと甘い&それなりに面倒見がいいから、ギリギリのところで完全に「嫌な奴」という評価にはならないんだよなぁ……。
さて。最後はもういろんな意味で鬼に金棒状態になったパウロ君。これからどうやって自分の力を蓄え、恨み重なる祖父に仕返ししていくのか気になるところではありますが……まぁとりあえず、みんな人生楽しんでください、という感じのラストで良かったです。
作品名 : THE DAY Waltz 3 【amazon
・ boople ・
bk1】
著者名 : 前田栄
出版社 : 新書館(新書館ウィングス文庫)
ISBN : 978-4-403-54150-6
発行年月 : 2010.3
2010.03.09
少し前にあれこれ整理したので、久しぶりにリストを作ってみた。
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