■ 2000.5月読書記録

 『魔術士オーフェンはぐれ旅 我が絶望つつめ緑』[秋田禎信/富士見ファンタジア文庫]

 謎が謎呼ぶ(?)「魔術士オーフェン」本編・第15巻。非常に個人的な意見で恐縮ですが、この作品、微妙に訳が判らなくなりつつあります。まぁ、面白ければなんでもいいけど(←おい)

 今回で、やっとオーフェンとコルゴンが出会いました。出会いましたが…コルゴンがなんかボケてるし(笑) 他の登場人物との会話は比較的まともに思えたのに(あ、地人との会話も笑えたか)、オーフェンとの会話になると急に笑えた。う~ん、チャイルドマン教室の出身者ってなんか判らない…。

 あと、意外と印象に残ったセリフ。オーフェンの「俺は守りたいと思ったものを守る。全部だ」とかいうセリフ。なかなかかっこいいと思った。こういうセリフが決まるとは…侮りがたし、オーフェン。

 そういえば、コルゴンの呪文詠唱。何故に途中からオーフェンと同じになってるんだ?ただのミスなのか、何か意味でもあるのか…。(後日掲示板で教えていただきました。私、白魔術士の詠唱とごっちゃにしてたようです)

 この作品で、<ドッペル・イクス編>が終了し、新しい展開に移るんですよね?(←聞くなよ) うん、きっとそうに違いない。拉致されたコルゴンの安否も気になるし(生きてはいるだろうけど)、今後の展開が楽しみですそれに今回の経験で、クリーオウに何か変化が起きるのかも、気になるところです。

 5/6 『ダブルブリッドII』[中村恵里加/電撃文庫]

 電撃ゲーム小説大賞<金賞>受賞作(だったよね?)、ダブル・ブリッドの続編。もうこれはシリーズ化確定ですね。でも願わくば、できるだけ早く完結しますように(ああ、石を投げないで!)。
 で、今回のメインは……『鬼ごっこ』。それしか言いようがないというのは困ったものです(苦笑)。

 作品全体としての感想は、あまりないです。前回は読んでて、「なかなかいいな」と思えたんですが、今回はちょっと……何というか。何故だか、スパイスが足りない気がして仕方ないです。主人公の優樹と太一朗の交流は割と気に入ってるんですけど、でもこれも前回よりは「いいな」と思う場面が少なめでした。何より、太一朗のキャラが……今回の話で『嫌い』に傾きつつあるのが痛いなぁ。どこが?と聞かれると困るんですけど、なんとなく、ね。多分私、この人と実際に会話するとしたら、1時間持たないでしょうな。絶対、私とは気が合わないタイプみたいなんですもの。彼。まぁ、万事に正直なのは悪くないと思うけど…。

 今回は少し期待はずれでしたが、続刊が発売されることはまず間違いない作品ですから、これからの展開が盛り上がってくれることに期待しておきます。

 5/12 『スレイヤーズ15 デモン・スレイヤーズ!』[神坂一/富士見ファンタジア文庫]

 待ちに待った「スレイヤーズ」長編シリーズの最終巻です。なんか、「ああ、終わったんだなぁ」としか言い表しようがないです。

 最終巻ということもあってか、読者サービス満点でしたね。謎のプリーストは大して役にも立ってないのにカラーイラストにまで顔出してるし、出番はないのかっ!と思われていた、獣王と海王までさりげなく顔を出してるし、誰か覚えてた?というぐらいなつかしの登場人物もいたし…

 ラスボスは冗談で、「……だったりしてねぇ」と友人と話していましたし、それでもおかしくないとは思っていました。でも、いざそうなると、やっぱり少しショックでした。正直、彼がここまで全てを憎悪する心が私にはわかりません。「これ以外に方法がないのか」と、リナは作中で問いかけていましたが、それと全く同じ心境でした。彼が納得して滅んだのだと頭で理解しても、どうしても割り切れません。彼のことが好きでしたから。せめて、その魂が安らいだことを、死後の世界があるのなら彼の最愛の人に再会し、「馬鹿」と言われていることを祈ります……。

 ラストはリナの故郷に向かって旅立つ二人。どんな思いをしても、それを抱えて旅を続けていくリナとガウリイ。彼らの物語に一番らしい形で終わったと思いました。

 最近、似たような作品が増殖していますが、やはりこの作品のテンポが一番好きですした。神坂先生、長い間、ご苦労さまでした!(でも、短編はまだ続くんだよな~。それよか、やっぱり外伝を書いて欲しいと思うんだけど)

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