■ 2000.4月読書記録

 4/1 『妖魔夜行 戦慄のミレニアム(上)』[山本弘/角川スニーカー文庫]

 妖魔夜行15巻目であり、第一期完結編の前半。

 今回、シリーズ最大の敵として登場するのは『天使』と『神』(まだ登場してないけど) ラスボス(?)は『ザ・ビースト』かこいつらかどっちかだろうなぁと思ってたので、予想は当たったことになりますかね(大穴でアンゴルモアの大王でも面白いかと思ってたけど・笑) なにせ信者が多いだけあって無茶苦茶強いこの敵に、<ウサギの穴>の面々に加えて他のネットワークのメンバーも登場しての総力戦になっています。

 さてこの話。私的に結構ショックなことが多かったです。まず、摩耶ちゃん。いきなり登場した悪魔に心奪われてるし! 『暗き激怒の炎』で流君といい感じになってたから、てっきり彼とくっつくと思ってたのに。もちろんそういう面だけじゃなくて、初登場時からは想像できないほど強くなってる彼女にはちょっと脱帽。
 そしてなにより、シリーズ開始当初からのメンバーが数名、命を落としたことがショックでした。彼らは、人間の想いがあれば復活することができる存在。そう分かってても、やっぱりつらい…。摩耶ちゃんとかなたの嘆きや、大樹のつぶやきが、読んでてすごくつらかった。それだけにあとがきの「…(略)…復活することもあるでしょう(なんせ妖怪ですから)」の一言は、少しムッとした。作者さんは私が思ったような意味で書いたんじゃないでしょうけどね。

 上巻は敵の一時撤退で幕を閉じましたが、この後もまた命を落とす妖怪がいるかもしれない(というか、いるだろうなぁ)と思うと、ちょっと不安です。……ところで、八環さんと未亜子さん、それに蔦矢君は……下巻で登場してくれるんですかね?

 4/7 『レディ・ガンナーの冒険』[茅田砂胡/角川スニーカー文庫]

隣国に住む幼なじみが意に添わぬ結婚を強いられようとしていると聞いた、ウィンスロウ家の令嬢キャサリン。彼の苦境を救うために旅立ちを決意したキャサリンと侍女、そして用心棒の4人組の冒険談。

 動物の姿に変身できる人が多数登場しているあたりは、思わず『デルフィニア戦記』を思い出します。残念ながらというべきか、今のところは関係なさそうですけど。

 で、やっぱり登場人物たちはどこか変わった人なんですよねぇ(笑) 主人公のキャサリンはただの楚々としたお嬢様かと思いきや、結構いい性格してるわ44口径ぶっ放すわ……彼女の雇った用心棒たちもそれぞれいい性格してます。キャラの個性で見ると、『スカウィ』よりもこちらの作品の方が私の好みかも。

 『デルフィニア戦記』と比べると酷でしょうけど、それでも茅田さんらしい作品で、面白いことに変わりなかったです。続刊希望。

 4/20 『魔法戦士リウイ 5』[水野良/富士見ファンタジア文庫]

 剣の国の『バスタード(妾腹の王子)』リウイの、冒険者時代の物語。今回は、DM本誌で掲載されていた<ミレル編>(一部加筆)です。

 …感想…リウイの女運も大概だ…だけじゃダメだよなぁ(笑)。まぁこれで、三人娘全員の、リウイに対する評価が多少ながら変化しましたね。でも、まだまだ『剣の国の魔法戦士』時の状態には程遠い。がんばれウー君。
 しかし、カーウェス師まだ元気…ですねぇ。『剣の国の~』では、かなり瀕死っぽかったのに。ラヴェルナの帰国前にいきなり倒れたのかなぁ?

 最後の締めには、アレクラスト大陸屈指の頭脳の持ち主『指し手』ルキアルが登場。ちゃんと軍師してるんですね。この方。ロマールに引き抜かれてからは、なんかいまいちいいところがないような気がしてたんですけど……ああ、そっか。そう思うのは、リウイに関わった策(全て失敗)と、知謀策略で唯一ルキアルに匹敵するとまで言われるスイフリーがいる、あのバブリーズに振り回される作品を読んでるからですね(笑) さすがの『指し手』も、この二組とはかなり相性悪いようすで。普通ならほぼ成功してるだろう策でも、こいつらが絡んでくると失敗しちゃうんですものね。ほんと、ご愁傷様。

 さて。あとがき読む限り、どうやらこのシリーズに一応の決着がつかない限り、本編は進まない様子。……気長に待つ…しかないんですね。あぁ、『砂塵の国の魔法戦士』の方がむしろ読みたいのに~(T_T)

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