2006.06.04

『ガイユの書 薔薇の灰は闇に』[響野夏菜/集英社コバルト文庫]

 同じ容貌を持ちながらその他は全てにおいて正反対の「魔術主(マスター)」と「灰かぶり(ドルー)」の少女、そして彼女らと深く関わる人々の織り成す物語、「ガイユの書」第3巻。
 故郷を襲った異変の報に、婚約者のナーシア、そして今となってはポーシアを探す旅を一時中断して故郷に戻ったマイ。アーシアの言葉に自分が何者かを知りたいと願い、手がかりともいえるマイを追うポーシア。そんな二人を嘲笑うかのように傲岸不遜に振舞うアーシア。雪の降り止まぬ北の地で、それぞれを待ち受けていたものは……と、そんな展開。

 個人的に、マイの株が大暴落した巻でした。いや、いろいろありすぎて一杯一杯なのは分かるんだけど、それでも最後のユサーザへの態度が癇癪起こしたガキにしか見えなくて(だからといって、どういう態度とって欲しかったか、と聞かれるとまた悩むところなんですが……) まぁ、今後葛藤を乗り越えて改めて友誼を結んだらあっさり見直すと思います。
 それ以外では、ポーシアとナーシア、同じ容貌を持つ二人の関係が明らかに。登場人物たちの想像や推理で補われている部分も多々ありますが、これはやっぱり確定なんでしょうね。歪んだ鏡像である二人がこの世界にどんな波紋をもたらすのか気になります。あと、個人的に妙に気に入ってるユサーザの秘密が明らかに。それが元でマイと別れることになってしまうのですが、これですんなり退場とは行かないだろうし。その目的も含め、彼の今後にも注目ですね。

 次の巻はどうやら昔語になりそう。今回の冒頭でもほんの僅か語られた「魔術主」の始祖の人生が、現在のこの世界にどのように絡んでいるのか。あとがきによれば7月下旬には読めそうな4巻が楽しみです。

【bk1】

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