2011.04.28

『公家武者 松平信平 狐のちょうちん』[佐々木裕一/二見時代小説文庫]

 姉の伝手で公家から武士に転身した松平信平(三代将軍家光の義弟)を主役にした時代小説。短編4つ収録。新刊チェックしてた時に、ふと目について購入してみた。

 感想。新シリーズの一巻目ということもあってか主な登場人物紹介&縁結び的な印象は残りましたが、お話自体はさくっと読めてなかなか面白かったです。なんというか、子供の頃によく見てたテレビの連続時代劇を思い出すノリだったというか。適度に軽くて肩の力を抜いて楽しめたというか。そんな感じ。
 登場人物について。主役の信平は、おっとりしてるようで案外強かなだったり勢い任せなところもある人だった。こういう人けっこう好きだー。お付き兼監視役の二人との関係も地味に良い。実在の人物がちょいちょい顔を出すのも歴オタ的には地味に楽しい。あと、諸事情あって別居中(正式に対面したことはない)の妻との関係がこの先どうなるのか楽しみだったり。1巻では本人はそうと知らず顔を合わせただけですが、このまま名も知らぬどこかのお嬢さんと思いこんで交流を深めてじれじれするのも、実は彼女がっ!と知って真面目に出世の方法考えるのも、どっちも楽しそうだなーと思います。

 気ままに生活している信平が、次はどんな事件に首を突っ込むことになるのか。2巻目が楽しみです。

作品名 : 公家武者 松平信平 狐のちょうちん 【amazonbooplebk1
著者名 : 佐々木裕一
出版社 : 二見書房
ISBN : 978-4576110585
発行年月 : 2011.4

2011.04.26

2011年5月の購入予定。

先月はまぁその、なんだかんだで結局書かないままでいたら、今月結構ぽろぽろ買い忘れて困っちゃったよ!というわけで復活。
毎月恒例購入ほぼ確定組の自分用備忘録です。
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2011.04.15

『Fate/Zero(4)散りゆく者たち』[虚淵玄/星海社文庫]

 「Fate/Zero」商業版第4巻。副題の通り、物語も折り返しを過ぎてそろそろ脱落者が増える巻でもあります。

 今回の見どころは、やはりキャスター戦でしょう。キャスターの呼び出した海魔を相手にしたセイバー・ランサー・ライダーたちの共闘は燃えます。その影で展開されるアーチャーvsバーサーカーとか時臣vs雁夜とかも見ごたえあり。しかし、とことん我が道を突っ走ったキャスター組は、最期の瞬間にもある種の希望というか答えを得て逝ってしまったというのは、なんというか、人生の皮肉って感じですな。ところで、商業版だとイラストがないから龍ちゃんがキャスターに自説を披露していた時の純粋無垢な良い笑顔が見られないのがとても残念だと思ったのは私だけでしょうか。
 それと対照的だったのが、ランサー組で。ランサーのクラスに召喚されるともれなく運が悪くなるというのは聖杯戦争のお約束なんだろうか……と思わず遠い目(でも、第五次のランサーはSNでもホロウでも自分の筋を通せたから、第四次のランサーよりはまだ幸運だったか) マテリアルで、「ランサーもランサーでケイネス個人は見てなかった」云々という記述がありましたが、それにしてもこの結末はやるせない。切嗣マジ外道。さらに、この戦いの結果ついに切嗣とセイバーの間の、絶対的に埋められない溝も表面化してくるという。……手法はさておき、切嗣の信念も間違っているわけではないあたりが、難しいよなぁと思います。
 あとは、最近ホロウやりなおしてたので「アイリスの土蔵」にちょっとしんみりしたり、ライダー&ウェイバー君にほのぼの?したり。

 さて、次はどこまで話が進むのか。最終日前あたりかなーと適当に予想しつつ、来月の発売を待つ所存。

作品名 : Fate/Zero(4)散りゆく者たち 【amazonbooplebk1
著者名 : 虚淵玄
出版社 : 星海社文庫
ISBN : 978-4-06-138908-3
発行年月 : 2011.4

2011.04.05

『忍びの卍 山田風太郎ベストコレクション』[山田風太郎/角川文庫]

 久しぶりの山風作品感想は昨年から角川文庫で刊行開始された、山田風太郎コレクションからこちら。あとがきによれば、これが二回目の文庫化だとか。……こんなに面白いのに、長らく入手難が続いてたとか、正直わけがわからない。ちなみに作者自己評価は「A」。

 三代将軍徳川家光の時代。大老・土井大炊頭の近習・椎ノ葉刀馬は公儀忍び組を一派にまとめるため、伊賀・甲賀・根来の三派を査察し、最も優れた組を選抜するという任を受ける。それが、壮絶な隠密合戦の幕開けだった――というのが序盤のあらすじ。
 この忍法帖の特徴は、登場する忍者(及び忍法)の少なさですね。登場人物する忍者は3名のみ。その他は、査察役を仰せつかった柳生流の高弟・刀馬とその婚約者、あとは幕府の上層部などで、まぁ、一般人といってもいい部類。
 で、忍者にしろ忍法にしろ、数が少ないとなるとワンパターンになるんじゃ?と思われるかもしれませんが、全然そんなことはなく。少ないからこそ、他の忍法帖ではあっさりさっくり使い捨てられていく忍者の掘り下げが行われたり、一つの忍法が発展をみせたりと、他のそれでは味わえない面白さがあります。
 そして、そんな登場人物たちが繰り広げる物語もまた、文句なく面白い。最初にざっくりまとめたあらすじは、本当にただの序章にすぎず。刀馬の査察結果が出てから本格的に幕を開ける忍者たちの暗闘は思わぬ展開を見せ、やがては歴史にも残る「ある事件」に繋がっていくことになるのですが――その展開の巧みさが、さすがは山田風太郎、という感じ。

 そして、それぞれに優れた使い手である忍者(+刀馬)の死闘から目を離せないまま物語を読み進めていけば、終盤でさらなる衝撃が待ち受けているという。『黒幕』といっても過言ではないだろう人物の描いた図が白日のもとに晒された瞬間はもう、鳥肌ものでした。作中の「忍法とはただ忍の一字」という台詞、そして、『黒幕』に対し一人生き残った彼が行った抵抗が、なんともいえぬ悲哀を感じさせるとともに強く印象に残ります。

作品名 : 忍びの卍 山田風太郎ベストコレクション 【amazonbooplebk1
著者名 : 山田風太郎
出版社 : 角川書店(角川文庫)
ISBN : 978-4-04-135664-7
発行年月 : 2010.12

2011.03.26

『リヴァイアサンのセカイ』[チャー/ガンガンノベルズ]

 作者さんから献本いただきました。ありがとうございます。

 いろんな歴史事項ごった煮状態(でも文明レベルは現代のそれ)かつ吸血鬼が存在するという、現代社会とぱっと見同じでそうではない異世界を舞台にした、人間と吸血鬼の物語。あ、グロ描写が多々あるので、苦手な方は注意が必要かと。
 感想としては、正しくシリーズものの序章だなぁ、という感じでした。
 これは果たして必要あるのか?というようなシーンが多々あったり、コメディというかギャグが上滑りしてたり(単に私がノリについていけなかっただけかもしれませんが・笑)、蘊蓄がやたら多かったりして、小説としてはバランスが悪い印象。つーか、いっそシリアス一辺倒でいってくれたほうが私的には好みだった気がする。
 でも、そういうのを横に置いて話の筋だけを見ると、ところどころ外しつつもわりと王道な展開で、普通に面白かったです。特に終盤の展開は「おー、ここでそうくるとか、なかなか酷いなぁ」と思った。あれ、最初から演技してたのか途中で変節するような出来事があったのか、ちょっと気になる。

 まぁ好き嫌いは分かれる作品かと思いますが、私はとりあえず続編が出たら買ってもいいかな、とは思いました。……いや、思いっきりここからが本編!というところで終わってるせいもありますけどね……

作品名 : リヴァイアサンのセカイ 【amazonbooplebk1
著者名 : チャー
出版社 : スクウェア・エニックス(ガンガンノベルズ)
ISBN : 978-4-7575-3188-8
発行年月 : 2011.3


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