2011.07.16
舞台が吉原ということでちょっと気になってはいたルルル文庫新人さんの作品。なんちゃってだったら嫌だなぁと思ってたのですが、周りの評判も悪くなかったので購入しました。
吉原が舞台ですがいわゆる濡れ場はほとんどなし(ヒロイン格となる少女・末葉が水揚げ前の禿だというのもあるかもしれませんが、まぁ、レーベルの問題が大きいのでしょうね……) しかし、苦界に囚われた女性たちの悲痛な嘆きの声が、どこからともなく聞こえてくるような雰囲気はよくできてると思いました。
「視る」能力を持つ吉原の中見世「雪柳」の伎有・弥太郎は、ある日、天才的な仏師に身受けされた花魁・東雲が不審死したと、仏師の弟子だという男から聞かされた。生前の東雲と親しかったわけではないが、交わした会話が記憶に引っ掛かっていた弥太郎は、彼女の死の真相を探ることにした――というのがとてもざっくりとしたあらすじ。
事件の真相は、トリック云々よりもそこに至った経緯・関係者たちの心情が「ふむふむなるほど」という感じでした。正直、もう少し書きこんであっても良かったようなと思わなくもないけど、そうなると完全にルルル文庫のカラーじゃなくなるなぁとも思うので、適度にしっとりさっくりなこれぐらいでちょうど良かったのかもしれません。
登場人物については、主人公の弥太郎と末葉をはじめ、友人の絵師・八重垣や末葉の姉女郎・夜菊などのサブキャラ、その他脇役がそれぞれ味があってよかった。個人的には夜菊姐さんが好きです。ぼんやりしてるというか難しいことは考えてないというか、まぁ、そういう人なんですが、この人のそれって生まれ持った性質以上に自己防衛の末の産物なんだろうなぁというのがなんか切なくてね……。おにぎりの話は、ちょっとじんわりしました。あと、何気に「雪柳」のおかみさんとか弥太郎の同僚の吉次さんとかも好き。
お話としてはこの一冊で完結でも、シリーズ一作目でもいけそうな。弥太郎の背景とか思わせぶりに匂わせてるだけだし、シリーズ化してその辺が語られるといいな、と思います。
作品名 : 吉原夜伽帳-鬼の見た夢- 【amazon
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bk1】
著者名 : ミズサワヒロ
出版社 : 小学館(小学館ルルル文庫)
ISBN : 978-4-09-452194-8
発行年月 : 2011.6
2011.07.10
屋根裏物置のさりさんに誘っていただいて、初めてのヅカ体験です。まろんさんとDkの二人もご一緒に、ぷちオフ会状態。
関西居住組は早めに集まって、本屋さんを物色したりホットケーキ食べたりと、時間までわりとまったり。
現地集合のでるたさんはトラブルもなく無事に着きそうで面白くな……、なによりだと思っていたら、まさかの降りるバス停間違えたというツイートに場が沸いた。さすがのでるたんクオリティ。
それはさておき、宝塚。演目は『ファントム』、いわゆる『オペラ座の怪人』ですね。
原作はざっとしたあらすじぐらいしか知らないのですが、演出と役者さんのおかげか、想像していたより鬱々とした話ではなかったです。
とりあえずお話に関しては、ファントムも伯爵も振り回されてかわいそうだなおいと思ったり、元支配人とファントムの和解の場面が私の中で盛り上がりすぎてあれもうこれここで幕でよくね?と思ったり(ヒロインの存在忘れてる)しました。
役者さんの巧拙はもう全然分からないんで、難しいことを考えずにうわーすごいなーと思いながら見てました。中でも印象に残ったのは、ファントム役の人と元支配人役の人、それからカルロッタ役の人かな。実に良いお声でした。
で、そんなこんなで劇が終わったあとですよ。一度幕が降りたあとのフィナーレがすごかった。とてもすごかった。大事なことなので以下略。
さりさんとこんこんさんいわく、今回はまだまだ全力じゃなかったらしいのですが、全力だったらどんななんだ……別世界を垣間見た気がしました。
そんなこんなの初宝塚でした。最後はきらきらと孔雀に全てを持っていかれたように思います。うん。
2011.07.05
先王の隠し子という巫女姫を擁する七都市が並び立つ地、東和。七番目の姫として擁立された少女・空澄(カラスミ)を中心に移りゆく時間や世界を描いた物語、第6巻にして最終巻。
3年2ヶ月ぶりの新刊で、内容も雰囲気もほとんど忘れかけていましたが、読み始めるとあっという間にこの世界の空気を思い出したような気がしました。それだけに、これで完結は残念だなぁ。何年待ってもいいから、この動乱の行く末を最後まで読んでみたかった。ただ、物語の中で「彼女たち」がただの少女としてではなく、その立場で出会ったことで、一つの区切りと言われればそうと納得もできるかな。
物語としては、東和の勢力図が大きく動いたようで、その実それほど大きくは変わってないような? どちらにせよ、箱庭の中の動乱はまだまだ続く、というところで幕となったのは、個人的にはちょっと意外だったかも。いや、5巻読んだときに、このまま一気に終結の方向に進むのかな、と思ってたので。
登場人物では、皆相変わらずお元気そうでーという感じで。思いがけず、人たらしの才能を発揮するエヅさんが楽しかったです。あと、二宮・翡翠が、なんというか、うん、やっぱり苦手なタイプではあるけれど、頑張れ……と声を掛けてあげたくはなったりしました。
戦記ものらしく各都市の衝突も人の死も身近にあるはずなのに、最後の最後まで不思議と透明感の漂う物語でした。ラストを飾るカラの笑顔が愛おしい。いつの日か、サイドストーリィか何かが読めると良いなー。(続編が一番うれしいけど)
作品名 : 七姫物語 第六章 ひとつの理想 【amazon
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bk1】
著者名 : 高野和
出版社 : アスキー・メディアワークス(電撃文庫)
ISBN : 978-4-04-870552-3
発行年月 : 2011.6
2011.06.27
大国パルメニアを征服するという目的のため手を組んだ仮面夫婦と主従の戦いと、関係の変化を描くシリーズ第9巻。次巻でいよいよシリーズ完結ということで、伏線回収やら何やらで一気に事態が動いております。
今回、これまではほとんど描写のなかったメリルローズやロレアンに割かれるページが多かったのが意外ながらも良かったです。ああ、この二人はそういう想いで行動してるのね、と。まぁ、メリルローズはまだ掴みどころがない部分も残ってますが、それでも彼女の人柄や想いといったものが垣間見えたことで好感度やや上昇。あと、元仮面夫婦なアジェンセン大公夫妻は、相変わらず遠距離でもらぶらぶだった。つーか、あの夢は……らしいっちゃらしいけど、もうちょっとこう、ね……。
話の本筋では、墓場や古より続く精霊信仰などについての謎が次々と明らかになっていくのを「ほー」と思いながら読んでいたところ、後半でさすがに予想してなかった大どんでん返しが発生。ああ、それなら確かに疎まれるわな……と納得しつつ、その事実に動揺しながらも、最終的には自分の野望を貫く決意をしたルシードは実に男前だと思いました。ラスト一行のアレは、まぁ、彼はそういうつもりなんだろうなと予想するものはあるんだけど、さて、どうなるか。
泣いても笑ってもあと1冊。はたして、この物語がどんな結末を迎えるのか、楽しみです。
作品名 : プリンセスハーツ ~たとえ遠く離れていてもの巻~ 【amazon
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bk1】
著者名 : 高殿円
出版社 : 小学館(小学館ルルル文庫)
ISBN : 978-4-09-452191-7
発行年月 : 2011.5
2011.06.19
謎の美女・金星の「婿候補」として、一寸先は闇どころか何が起きるか分からない列車に乗り込み、なりゆきから一緒に行動することになった3人組の冒険……のみならず、どんどんスケールアップして行ってるシリーズ、第4巻。
個人的には今回メインの舞台になったのがイスタンブールということでときめきました。とてもときめきました。大事なことなので二度言いました。
まぁそれはさておき、3巻で一気に話と世界が広がった印象のあるこのシリーズですが、4巻もますます謎も増えて登場人物も増加というかなんというかで、盛り上がりました。
登場人物では錆丸の兄ちゃんとか月氏の面々とか人数が絞られてきたその他の「花婿候補」とか金星のところに集められた女の子達とかいろいろいましたが、個人的には暁玲さん再登場が! 「ひっぱたいてやりたいのです」の一言に惚れた。あと、1巻でなんか得体の知れない感じで登場した月長石を苦もなくあしらうわ全世界規模で動いてる組織に目をつけられてるわの殿下が怖い怖い。メイン組では錆丸が身体的なそれのみならずいろいろと成長しているなーと感心したり、砂鉄とユースタスにニヤニヤゴロゴロしてとても大変でした。
いつの間にか本誌もこっそり購読しはじめているので餓えはまだマシなのですが(本誌発売マダーとなっているので結局一緒という説もある)、まとめて読むと書き下ろしもあるしやっぱり面白い。というわけで、本誌も文庫も早く続きが出ますように(祈←無茶言うな)
作品名 : 金星特急4 【amazon
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bk1】
著者名 : 嬉野君
出版社 : 新書館(新書館ウィングス文庫)
ISBN : 978-4-403-54168-1
発行年月 : 2011.6