2011.02.11

『レッド・アドミラル 英雄は夜明けを招く』[栗原ちひろ/角川ビーンズ文庫]

 偶然の出会いからわけありの軍艦に配属されることになった軍人・ロディア(男装の麗人)とその仲間たちが活躍する、海軍出世物語第3巻。

 感想。「ロディアさんの男前度上昇が止まるところを知らない……!」の一言に尽きる気がします(笑) いやだって、まさか○○まで口説きにかかるとは思いませんでしたし。その他、レーン号の面々も相変わらずいい感じ。アルデアが思いの外かわいくてどうしようかと……。
 ストーリィ的なことで言えば、ある意味意表をつかれたというか。アスファル帝国との戦争が、まさかこの時点でカタがつくとは思ってなかったので戸惑いました。つーか、海戦は楽しかったし燃えたけどアスファル側が自滅しすg(略)
 あ、でもこれで一区切りついたとはいえ、戦い自体は既刊での情報を見るに、まだ続くんですよねぇ……一体どういう展開になるのか、気になるところ。

 第一部完!という感じでタイトル的にも完結ありそうだなぁと思いましたが、続刊は確定しているようなのでよかったよかった。旧神絡みもこれからさらに話に関わってくるでしょうし、続刊を楽しみに待ちたいと思います。

作品名 : レッド・アドミラル 英雄は夜明けを招く 【amazonbooplebk1
著者名 : 栗原ちひろ
出版社 : 角川書店(角川ビーンズ文庫)
ISBN : 978-4-04-451416-7
発行年月 : 2011.1

2011.01.30

『封殺鬼 帝都万葉』[小学館ルルル文庫/霜島ケイ]

 長編伝奇シリーズ「封殺鬼」、約1年半ぶりの新エピソード。「鵺子ドリ鳴イタ」終了後から1年後の話。あと、携帯でなにかのフェアの時に公開されていた短編も巻末に収録。

 お話全体に昭和初期という時代の持つ特有の暗さこそ付きまとっていますが、そんな背景はさておき志郎と桐子の二人ですよ。(真顔) 桐子が15歳になって、見合い話が持ち込まれるようになって……ということから、それぞれの心に生じる変化がとても美味しゅうございました。特に桐子は、恋愛相談とか志郎への感情に名を与えられて狼狽したりとか、極めつけは最後の異界での志郎とのやりとりが! とてもニヤニヤもので、床ローリングしました。一方、彼らを見守る鬼二人の視線は暖かくもどこか切なく……終幕前に二人が交わしていたあの会話には、ちょっとしんみりしました。
 あと、今回の話に関わることになる幽霊二人がそれぞれ素敵なキャラでした。特に音吉姐さんは、気風の良さと惚れた男への筋の通し方が実に格好いい。この人は惚れるわ……。あと、達磨に取りついた人の好い彼も良かった。彼らが旅立ったあとに咲いた花二輪が、実に粋。

 読み切りのような内容でしたが、折り込みチラシに新章開始と書いてあるから、二人が正式に結婚するまでの話になるのかな。もちろんそれだけでなく、今回登場した不死木の一族や仄めかされる軍の動き等も絡んでくることになるのでしょうが……なんにしろ、この先どんな話が繰り広げられるのか、とても楽しみです。

作品名 : 封殺鬼 帝都万葉 【amazonbooplebk1
著者名 : 霜島ケイ
出版社 : 小学館(小学館ルルル文庫)
ISBN : 978-4-09-452185-6
発行年月 : 2011.1

2011.01.23

『ミストクローク―霧の羽衣 (3)永遠の大地』[ブランドン・サンダースン/ハヤカワ文庫FT]

 『Mistborn: The Hero of Ages』、邦訳版第3巻。囚われの身となったヴィンの前に姿を現した〈破壊〉神。彼女を操ろうとするその強大な存在に、ヴィンは抵抗できるのか。一方、エレンドも決断を迫られて――という展開。

 読後は、言葉もなかったです。「サンダースンの雪崩」の凄まじさはこれまでにも味わってきましたが……いやはや。2巻の段階では、もはや絶体絶命を通り越してるような状況だったのに、それが見事に、話の筋をねじ曲げるでもなくこれまでの伏線を十全に生かして、僅かな希望をより集めて覆していく展開にはもうあっけにとられるしか。先には死しかない悲壮な戦いすらも、必然だもんなぁ……「サンダースンの雪崩」、というか構成力恐るべし。
 登場人物に関していえば、これまでの2巻でハラハラ見守っていたスプークがまさかの活躍で。見くびってましたごめんなさい、みたいな心境になりました。あとは、支配王もかなり名誉回復したよなぁ……としみじみ思ったり、テン=スーンも最後まで重要な立ち回ってくれて満足したり。セイズドは思わぬ役割を得てしまいましたが、彼ならきっと重責に耐えてくれる、と信じています。
 そして、ヴィンとエレンドは……彼らは、本当に自身のやるべきことを成し遂げて、満足なんだろうなぁ、と思います。最終盤に至るまでに見せられた、二人の信頼と絆には、涙が滲みました。

 終幕は、三部作の最後に相応しい、薄闇から解放された明るく実に美しい光景ながらも一抹の悲しみ・切なさの残るもので、全9巻堪能した……と余韻に浸りながら巻末の解説読んでたら、なんか今年続編が発売されるとのことで思わずガタッとなった。く、英語を死ぬ気で頑張るしかないのか……。

作品名 : ミストクローク―霧の羽衣 (3)永遠の大地 【amazonbooplebk1
著者名 : ブランドン・サンダースン
出版社 : 早川書房(ハヤカワ文庫FT)
ISBN : 978-4-15-020527-0
発行年月 : 2011.1

2011.01.22

2011年2月の購入予定。

毎月恒例購入ほぼ確定組の自分用備忘録。
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2011.01.11

『華葬伝 ~Flower Requiem~(上・下)』[久遠/角川ビーンズ文庫]

 第1回台湾角川ライトノベル大賞の金賞受賞作の翻訳。く、翻訳されると知ってたら、台湾旅行に行ったときに語学の勉強兼ねて原本入手してきたのに……!(←いろいろと間違ってます)

 えーと、そんなアホな呟きはさておいて。お話はといえば、かつて神殺しが行われた結果輪廻が失われてしまった世界で、事故によって記憶を失くした少女・幽冥が、否応なく世界の理に迫っていく話、とでも言っておきましょうか。読後の感想は、鬱というわけじゃないんだけど切ない、というのもちょっと違うような……。この結末のあとにまた繰り返されるのかもしれない未来に思いをはせると、ちょっと遠い目をしたくなるというか、そんな感じ。
 ただ、登場人物のほとんどが報われなさすぎ(主観)なので、キャラに感情移入して読むときついかもなぁ、と思いました。いや、作者さんはキャラ云々というよりもこの世界を語りたかったんだろうなぁ、というのはよく分かるんですけどね? でも、○○エンドと言ってもほぼ間違いでないというのは、特にレーベルがビーンズだし、と油断してたりらぶらぶ恋愛要素を期待しているとちょっとキツイんじゃないかと思うわけです。
 私はこういうのも嫌いじゃないんで、終幕に至るまでの過程やなんやかんやを「ほー、ここでそうするのか」という感じでいろいろ興味深く読みましたが。……つーかよく考えたら、ある意味ベタなお話やなぁと思いつつ、(多分)文化圏の違いからくる差異とかそういう個所を楽しんで読んでたかもしれない……

 まぁでも、翻訳文も普通に読みやすくてなかなか良かったです。今後も台湾の作品が翻訳されるのかなーと思うと、少し楽しみ。向こうに旅行に行ったとき、面白そうなのいくつか買おうか買うまいか迷ってたのがあるんですよねー。……あああと、角川さんはできれば古龍翻訳も引き受けてくれませんか。前に『多情剣客無情剣』訳してくれた縁で是非(血涙)

作品名 : 華葬伝 ~Flower Requiem~(上)【amazonbooplebk1】 / 華葬伝 ~Flower Requiem~(下)【amazonbooplebk1
著者名 : 久遠
出版社 : 角川書店(角川ビーンズ文庫)
ISBN : 978-4-04-455029-5 / 978-4-04-455035-6
発行年月 : 2011.1


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