『テスタメントシュピーゲル3(下)』[冲方丁/角川スニーカー文庫]

近未来の世界、テロの脅威に晒されている都市・ミリオポリスで戦う少女たちの物語「テスタメントシュピーゲル」最終幕後編。

感無量。その一言に尽きました。
上巻から続く涼月の突撃さながらの勢いで、残った伏線の回収や諸々の過去・因縁に決着がついていく様は、まさに怒涛・圧巻。
何を言っても足りない気がするのですが、とりあえず登場人物について。「何でもかんでも殴って解決する」涼月は、どんな状況でも前に進み続ける姿が最後まで最高すぎました。鳳は皇と蛍との会話と最後の駅での冬真とのやりとりがよかった。陽炎と乙は、シリーズ最初の頃は怯えるばかりだった過去にまっすぐ向きあい、そして勝ち取った結末に万感の思いがこみ上げた。夕霧は……最期に声が届いたのは、彼にとっても救いではあったのでしょう。雛は某所就職確定と思っていたので、とても嬉しい予想の裏切られ方でした。登場時は恐ろしいばかりだった特甲猟兵達は、真相がわかってなんともやりきれない気持ちに。届かなかったもの、握りつぶされた想いがなんともやりきれず……かろうじて夕霧の声が届いた白露と、ある場面で某人を殴りつけたギリアンに、多少ではありますが救われた気分でした。つーかギリアンさんは全体的にカリカリしてるのに、おもしろかわいいひとだったよね……。その他の悪党どもの末路は、これまでの溜飲が下がった気分(某団体に関してはいろいろと複雑な思いもなくはない) しかし、「偉大なる龍王」「ムニン」「サイクロプス」と、ここまで引っ張ったローデシア幹部連中が意外と小者だったのは、ある意味リアルな感じでしたね……。あ、上巻の時点で予想してた彼らの正体、サイクロプス以外は当たってました。

報いられざること一つとしてなからん。事前に予想していた以上の大団円は、ここまで戦い続けてきた少女たちの「卒業」に相応しい、未来に向かって踏み出した彼女たちの姿に希望を感じる、とても素晴らしいものでした。この物語が読めて、良かったです。

作品名 : テスタメントシュピーゲル3(下)
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著者名 : 冲方丁
出版社 : 角川スニーカー文庫(KADOKAWA)
ISBN  : 978-4-04-105181-8
発行日 : 2016/7/1

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