『弁当屋さんのおもてなし ほかほかごはんと北海鮭かま』[喜多みどり/角川文庫]

角川ビーンズ文庫で作品を発表されていた作者さん、久しぶりの新刊は最近流行り(?)のお店&ごはんもの。恋人に二股をかけられた傷心も癒えぬまま北海道の札幌市へ転勤したOLの千春が、ふと立ち寄った路地裏の弁当屋『くま弁』で店員のユウと出会って――という導入から始まる物語。

冒頭で語られた千春が転勤する原因を作ったともいえる二股男とその相手の行動が気分悪すぎて、早く破局すればいいのにと心の底から思いました。本来は千春と同じく被害者のはずの相手も「ないわー、それはないわー」という行動を取ってくれやがるものだから、うん、まあ、ある意味お似合いのふたりと言えるかもしれませんがやっぱり早く(以下略)
まあ、そんな気分の悪い冒頭を超えれば、あとはほっこりする良い話でした。客の体調や気持ちに寄り添った特別メニューを提供する『くま弁』のお弁当は、近くにあったら通いたいと思うような美味しそうな描写が魅力的。登場人物はそれぞれに問題や悩みを抱えつつもどこにでもいそうな人たちで、そんな彼らとお弁当を巡るお話に、どこかあたたかな気持ちになりました。あと、千春とユウが徐々に親しくなっていく過程と、最後には客と店員という枠を一歩超えたような?雰囲気にニヤニヤ。

1冊読み切りでまとまっていますが、続いても無理がなさそうな幕引きでもあるので、この後の彼らの話がまたいつか読めると良いなと思います。

作品名 : 弁当屋さんのおもてなし ほかほかごはんと北海鮭かま
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著者名 : 喜多みどり
出版社 : 角川文庫(KADOKAWA)
ISBN  : 978-4-04-105579-3
発行日 : 2017/5/25

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