『金星特急5』[嬉野君/新書館ウィングス文庫]

 謎の美女・金星の「婿候補」として、一寸先は闇どころか何が起きるか分からない列車に乗り込み、なりゆきから一緒に行動することになった3人組と彼らと縁付いた人々の冒険、第5巻。

 お話的には、そろそろ折り返し地点なのかなーという印象。前巻に引き続き、金星特急内部だけではなく、乗り遅れて追いかけてる錆丸と護衛の三月・夏草、記者のミヤザキに同行(というか利用というか・笑)して錆丸を追う実兄の伊織と暁玲、アルベルトの依頼で言語学者ハハリ氏の後継者たる少年とともに合流を目指す雷鳥・無名、そして、金星によってどこかもわからない場所に集められた少女たち……と、様々な場所で話は展開していくことになりますが、それに伴い純国普の目的も見えてきて、この点がどう決着するのかも気になるところ。
 あとはまぁ、書き下ろしの夏草の過去話が……! 本編でも月氏の面々が大活躍で、今回は月氏祭りだなっ!とテンションあがりまくりました。砂鉄とユースタスはもはや鉄板なのですが、ちょっとだけ顔を出したユースタスの元親友が普通に下種なことしてくれやがったおかげで微妙なことに。彗星のほうも、ユースタスが実は女性で、砂鉄も既に恋に落ちているなんて知ったら……どうでるか予想できなくて怖い怖い。錆丸は実に良い主人公に成長中。最後の三月と夏草とのやりとりが実によかった。

 さて次巻ではどこまで、どんな風に話が進むのか。雑誌刊行を追いかけてはおりますが、予告されてる書き下ろしの内容も含めて非常に楽しみです。

作品名 : 金星特急5
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著者名 : 嬉野君
出版社 : 新書館ウィングス文庫(新書館)
ISBN  : 978-4-403-54177-3
発行日 : 2011/12/9

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