『鳥は星形の庭におりる』[西東行/講談社X文庫ホワイトハート]

 最初はノーチェックだったのだけれど、あらすじを読んでちょっと面白そうかなーと思ったので購入してみたホワイトハートの新人さんの作品。

 内容は、霊鳥が降りてくるという伝承が残る塔を巡る謀に、その聡明さゆえに家族の中で孤立しがちな貴族の少女・プルーデンスと蒼い衣をまとった名無しの吟遊詩人が巻きこまれていく、という感じ。とりあえず公式のあらすじは煽りすぎというか、全体的にあまり派手な話ではなかったと思います。しかし個人的には、ひょいと顔を出す世界設定や作中の雰囲気がわりと好みだったこともあり、普通に楽しめました。あと、どこぞの豆文庫とは違って無理にシリーズ化前提とはせずに、これ一冊できっちりかっちり完結しているのも地味に好印象(舞台と登場人物さえ変えれば、また別の物語は生まれそうだけど)
 登場人物では、プルーデンスがとにかく良かったですね。驚くほどの聡明さと歳相応な感情の狭間で揺れながらも、最後まで自分の進む道をしっかりと考え行動していく姿がとても素敵でした。こういうタイプのヒロインはとても好きだ。一方、そんな彼女の相方となる吟遊詩人は飄々としてるというか……彼個人がどうというより、プルーデンスとの関係や彼女に対する感情の変化が良い感じだなーと思いました。
 僅かとはいえ共に過ごした時間の中で、二人が互いに抱いた想いが感じられるからこそ、最後の場面はちょっとしんみり気分。……まぁでも正直、あの○○はちょっとどうなんだーと思ったりしましたが(笑)

 ともあれ、地味めの話ではありましたが、登場人物の魅力もあってなかなか面白かったです。次回作も期待。

作品名 : 鳥は星形の庭におりる
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著者名 : 西東行
出版社 : 講談社X文庫ホワイトハート(講談社)
ISBN  : 978-4-06-286587-6
発行日 : 2009/3/5

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