『ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ』[虚淵玄/小学館ガガガ文庫]

 悪徳の街ロアナプラを舞台に、裏社会に属する人間や組織の繰り広げる駆け引きや荒事を描く人気コミックシリーズのノベライズ。原作が好きなので購入。

 内容的には、三合会タイ支部ボスの張を標的にした暗殺未遂が発生。うっかりその片棒を担いでしまったラグーン商会は、ケジメをつけるために犯人狩りに奔走するが、なぜか事件の裏にはホテル・モスクワの影がちらついて……みたいな感じ。ちなみに時間軸は「日本編」の前ぐらい。
 張大哥とバラライカの姐御が最初に予想していたより出番が多く、しかもそれぞれ格好よすぎで、原作でこの二人が特に好きな私としてはそれだけで嬉しかったですねー。ラグーン商会の面々は事件の本質には近づかず、表面的な部分で動いていた感がなきにしもあらずでそれはちょっと残念だったけど、なんというかこう、ああラグーン商会の連中だなぁと納得できる描写や行動が良かった。
 一方、張大哥を狙う暗殺者3人はこれまた作品世界に溶け込んでいるというか、シリアスから変人までそろった灰汁の強い面子で。喧嘩を売ってはならない連中に喧嘩を売った彼らの最終的な末路はまぁ想像がつくにしても、どういう風な幕引きが用意されているのか、非常にわくわくしながら読みました。なかでもストーリィ的にメインだったと思われる麻薬中毒の狙撃兵は、姐御絡みなこともあって結末に至るまでの虚無感というか無常さが印象的だし、ブロガーなガンマンもただのアレな人かと思っていたら最後の〆は良かったし。で、シリアス(?)方面で印象に残ったのがこの二人なら、逆方面で印象強烈だったニンジャ。実力はシェンホアを圧倒するほどにも関わらず、その正体は……どうツッコミいれればいいものやら状態のロックや茶目っ気を発揮しまくった張大哥とのやりとりとか、大笑いしました。あの人、そのうちコミックにも出張してきたりして(笑) 

 原作ファンでも、コミックでは語られなかったエピソードの一つとして純粋に楽しめる内容で満足でした。

作品名 : ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ
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著者名 : 虚淵玄(原作:広江礼威)
出版社 : 小学館ガガガ文庫(小学館)
ISBN  : 978-4-09-451079-9
発行日 : 2008/7/19

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