『ぶたぶたと秘密のアップルパイ』[矢崎存美/光文社文庫]

 生きてるぬいぐるみ「山崎ぶたぶた」を主人公にしたシリーズ最新作。

 今回のぶたぶたさんは、会員制(!?)の喫茶店の店員。まぁ、会員制と入っても堅苦しいものではなく、店長のお茶目で支店がそういう扱いをされているだけなのですが……ともあれ、ここの会員になるにはぶたぶたさんに秘密を打ち明けるべし、という条件が(一応)あったりして。そんな喫茶店に些細なきっかけから足を運ぶようになったイラストレーターの女性や男子高校生たちが、ぶたぶたさんと交流する中でそれぞれの抱える「秘密」を語り、その重荷から開放される、というのが大体の流れ。基本的な雰囲気は、まぁいつもと変わらずだし、打ち明けられる「秘密」もほとんどはそこまで重いものでもなかったので、安心してまったり楽しめました。が、「妖精が見える」という女性の話は、少し痛いものが……以下、ネタバレにつき反転→あの書き方だと、つまり彼女は脳に何か病気を抱えていた、ということになるのかなぁ。最後にはハッピーエンドに向かいそうなので安心はできましたけど。そして、彼女との会話の中でぶたぶたさんが「自分が化け物だという自覚はある」云々と言ったのが、また痛かった……。

 途中で悲しい気分になっても、最後にはほっと心温まるものが残るのがこのシリーズのいいところですね。読了後はそんなに好きなわけでもないのに、無性にアップルパイが食べたくなりました。

作品名 : ぶたぶたと秘密のアップルパイ
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著者名 : 矢崎存美
出版社 : 光文社文庫(光文社)
ISBN  : 978-4-334-74349-9
発行日 : 2007/12/6

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