『鋼の風 創世の契約2』[花田一三六/中央公論新社・C☆NOVELS FANTASIA]

 龍族、鳥族、犬族、猫族、人族、そして混血たちの住まう大陸を舞台にした物語、第2巻。

 今回は、五種族の頂点に立つ龍族によって、見知らぬ土地に放り出されたベルネ。「大山脈でお待ちしています」という彼らの言葉を信じるならば、そこにたどり着くためには当然大陸を移動しなければならない。しかし、自由な移動を許されていない人族では、それも難しい。考えた末に、ベルネは一番手っ取り早い方法――傭兵になる決意をし、彼の背景を知った傭兵団「鋼の風」の団長ライゲンベックも、ある思惑からベルネの入団を許したが……という展開。
 1巻終盤の展開から、2巻以降は普通にベルネを主人公に据えた長編になって行くのかと思ってましたが、そう単純な形にはならず。「鋼の風」の面々の目を通した、ベルネ(団長の忠告でレスティという名を名乗っている)の姿と成長を描いた巻、というところでしょうか。ベルネことレスティは剣もろくに握れない素人なだけに、大丈夫なのかと思ってましたが……それぞれに経験を積んだ各隊の人々から次第に評価されていく過程がなかなか面白かったです。また、登場した傭兵団の面々も団長を筆頭にそれぞれ魅力的で。この巻だけで、この「鋼の風」という集団に惚れこんでしまったような気がします。
 あと、人族の街を飛び出して舞台が広がったために、1巻では描かれていなかった部分についても語られていたりして、それもまた興味を惹かれる一因となりました。

 手に汗握る展開も多く、最後まで楽しんで読んでいたのですが……あの凶悪なヒキは何事か。この先レスティや彼らがどうなるのか、とりあえず今は3巻が待ち遠しい限り。あと、未だその思惑が見えてこない龍族の動向も気になるところです。

作品名 : 鋼の風 創世の契約2
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著者名 : 花田一三六
出版社 : C☆NOVELS FANTASIA(中央公論新社)
ISBN  : 978-4-12-500995-7
発行日 : 2007/8

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