『ダナーク魔法村はしあわせ日和 都から来た警察署長』[響野夏菜/集英社コバルト文庫]

首都警察の特務捜査官としてキャリアを重ねていた青年イズー。しかし、ある事件をきっかけに田舎の警察署に署長として赴任することになる。書類上は栄転だが、本人にとっては左遷でしかない異動。意気消沈するイズーに追い討ちをかけるように、赴任先となるダナーク村は(今時滅多にお目にかからない)魔女たちが普通に存在する魔法村だった。

 響野さんの新シリーズ。シリアス一辺倒だった「ガイユの書」とは雰囲気一変のほのぼの系ファンタジー。

 感想としては、地味ながらも普通に面白かった、というところ。とりあえず、ダナークにやってきた当初カルチャーショックに唖然としているイズーには楽しませていただきました(酷) そこに暴走娘のビーが絡むと面白さ倍増。彼女とのやり取りやなんだかんだと彼女に引っ張りまわされてる姿は愉快というかなんというか。そういうコメディチックな面だけでなく、サリーと初めて会話する場面などでは格好良い面も見せてくれる、なかなか良い感じの主人公でした。ラストを見るに、これからもいろいろ周囲に影響を受けることで人間的に変わっていきそうなので、楽しみ。
 話としては、前半はダナークの描写が多いこともあってかほのぼの風味(一人無駄にイライラしたりしてる人もいますが・笑) しかし、後半はイズーの過去に絡んで重犯罪者が村にやってきて……と、ややシリアスな展開に。それでも重くなりすぎでほのぼの感を損なうというほどこともなく、ちょうどいい匙加減になっているのはさすがベテランというべきか。シリアス面の大部分を担っていると思しきイズーのトラウマになっている人物に関しては、今回は表面的な事実とほのめかし程度でしたが、まだまだ裏がありそうですし。今後どのように絡んでくるのか楽しみです。

作品名 : ダナーク魔法村はしあわせ日和 都から来た警察署長
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著者名 : 響野夏菜
出版社 : 集英社コバルト文庫(集英社)
ISBN  : 978-4-08-600841-9
発行日 : 2006/11

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