『空ノ鐘の響く惑星(ほし)で 11』[渡瀬草一郎/電撃文庫]

 正統派異世界ファンタジー(微量にSF要素含む)「空ノ鐘」も早いもので11巻目です。

 無用な戦を起こさないため、使者としてラトロアへと赴いたフェリオ一行。一方、リセリナたちは御柱の奪還に向けて動き――と、そんな展開。
 今回ある意味一番驚いたのは、あとがきでの次が最終巻という宣言だったかもしれません。そろそろ完結だろうなーと思ってたけど、予想以上に早かったというか。……で、それを踏まえての読了後の感想ですが。それにしては今回展開が遅かった&さほど盛り上がらなかったような、と個人的には思いました。いや、各人の心情ややりとり、それに変化を丁寧に書いてあってそれはそれで悪くなかったのですが、ここまできたらもうちょっとサクサク進めて盛り上げて欲しかったなぁと。まぁ、好みの問題ですけど。あと、展開的にも大きく予想を外したものにはならなかったため、なんというか期待が過ぎて肩透かしを喰らった状態になったのかもしれません。
 登場人物がらみで今回一番お気に入りだったのは、リセリナが残された日記を読む場面ですね。あとは、エンジュとイリスのらぶらぶ度が進行してるなぁ、とか良いキャラだし使いやすいのかもしれないけれど、でもちょっとパンプキンで遊びすぎのような、とか。そんなことをとりとめもなく思ったり。

 ともあれ、次で完結ということですし。一体各人にどんな結末が待ち構えているのか、楽しみに待つことにします。……ついでに、完結後は是非「陰陽ノ京」の続編が読みたいなぁと、希望をこめて呟いておきます。

作品名 : 空ノ鐘の響く惑星(ほし)で 11
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著者名 : 渡瀬草一郎
出版社 : 電撃文庫(メディアワークス)
ISBN  : 978-4-8402-3485-6
発行日 : 2006/7

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